レーシングマシンや市販のSSを語る上で、しばしば出てくる言葉。
「マスの集中化」
CBR600RRは、ホンダのmoto-gpマシン「RC211V」のコンセプトを受け継ぎ、このマスの集中化が高度にすすんだマシンである。
要するに、車体の中で一番重いエンジンの重心位置を最適化し、
さらに様々なパーツを重心に近づける事により、運動性能を高めていこうという訳である。
結果、スリムなカウルの中はぎっしりと補器類が詰まっていて
整備性はかなり犠牲なっちゃってます。
センターアップマフラーはマスの集中化と、相反するものだが(重心から外れたシートの中に重いサイレンサーを置かないといけないので)必要な排気管長を確保する上で、やむを得なかったのだろう。
06年型の、GSX-R600やYZF R6で採用されているような、ショートマフラーが、マスの集中化という意味ではベストかもしれないが、あれは市販車ならではのマジックがあると思う
(おそらくエンジン下部のエキパイ部分は、単純なパイプではなく何らかのチャンバー構造になっていて、それにより、実質的な排気管長を稼いでいると推測する)
今年、全日本に出場してくるマシン、および各社からリリースされるマフラーは従来よくあったような、普通のサイド出しになってくるはず。
パワーを出すために、ストレートのパイプを使ったらシートカウルの中でトグロを巻くだけでは、とても排気管長が間に合わないからね。
まぁ素人の予想なので、レースマシンがショートタイプのマフラーを装着していたら、謝ります(笑)
なぜ、マスの集中について今更書こうかと思ったのは
昨日プラグ交換をしていて、ヘッドカバーを初めてまじまじと見たのだけど、写真の黄丸の部分が凹んでいるのに気づいたから。
この状態はラジエターの固定を外して、下におろした状態(実際はラジエターが邪魔で、プラグ周りは見えない)なんだけど、この凹み、ラジエターの裏側についている、冷却ファンとの干渉を避けるためなんですね。
それぐらいタイトな配置なんですよ、補器類が。
実物を取り付けた状態で横から見れば分かりますが、この凹みが無いと、ファンつけられる隙間はありません。
よって、ファンを大型に変えたりする事も絶対できません。
どうせレース用にST600仕様で組めば、ファンなんてつけないんだが・・・。
なるほど、このバイクが発売され直後に開発責任者の方が
某雑誌で語っていた通り、
「性能を追求したレイアウトを選択してから、後から公道走行に必要なものを押し込めていく」
というプロセスが、この凹み一つから嘘でない事が実感できました。
しかし、よく設計されてるよなぁ。
ただし、高性能を実現するために
整備性というものが、相当犠牲になっているのも事実。
やはり、これは弄って楽しいバイクではなく、乗って楽しいバイクだという事を改めて実感しました。
やれやれ・・・
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